第1話 狂気の人形


セッション2 悲哀・女を乗せて馬車は行く


GM:さて、もう朝です。約束の時間だよ。
レーン:もう、いるんですけど、僕。
GM:いる人には馬車が止まっているのが解る。来た人にも解る。「やあ、みなさん。おはようございます。これから4日間よろしくお願いします」
エフ:ガルディさんも一緒に来るのですか?
GM:当然ですね。
チャカ:「儲かりまっか!」
GM:「ぼちぼちでんな〜」(笑)
エフ:それじゃあそろそろ出発しましょうか。
GM:「それでは皆様4日間よろしくお願いします」

 男爵領に向けて出発した一行ですが、早速守備の位置決めでワイワイガヤガヤ。先が思いやられます。

GM:さて、君達は一路男爵領に向けて歩いているわけですが、道中には馬車が泥にはまってしまい、泥だらけになりながら必死に馬車を押したりする日もありました。
レーン:じゃあパラスに頼めば。この方筋力17もあるから。
ウィリアム:魔法使いはやりたくない。
レーン:そういうこと。
GM:そうこうしているうちに3日目の夜、君達が野営して寝る前に、ガルディさんが酒瓶持ってやってきました。「いや皆さん、ご苦労様です。今日が最終日ですからどうぞ一杯……」
レーン:「ちょっと待って下さい。こういう時に気を緩めたら自衛隊になりますよ」
GM:「さすがは冒険者。言う事が違いますね。じゃあ私一人でいただきましょう」
チャカ:「ちょっと待った!」
レーン:「自分の部屋で飲んでいただけますか?」
GM:ここは野原で、馬車なんですけど。
レーン:「いや、私達は馬車の外にいますから」
GM:「いや〜、こんな旨い酒が飲めないなんて。ゴクゴク、プハ〜」
ウィリアム:「気付けに一杯貰えますか?」
GM:「はいはい、どうぞ」
ウィリアム:「クーッ、ああ、旨い」
GM:「どうです、いけるでしょう。ささ、もう一杯」
ウィリアム:「いやいや、これ以上はいけませんよ」
チャカ:「今度飲みますから、この水袋に」(笑)
GM:トポトポトポ。入ったよ。
チャカ:おっとっと……ありがとうございます。
パラス:チャカに水かけるぞ。
コレガー:水じゃなくて油だ!
ジェフ:火をつけてやれー!

 なんだかんだ言って、結局酒を飲んだのはウィリアムの二杯だけでした。後はみんな辞退しました。

GM:「じゃあ私は酔いが回ってきたので寝さしてもらうよ」
ウィリアム:さっさと寝ろ!(GM:あんた酒貰っててそりゃないじゃない)
レーン:先に”眠りの雲”をかけておけばよかった。
GM:(いきなり)第6感ちょっとしてくれたまえ。修正はなし。成功したのはレーンだけか?
レーン:はいっ!
GM:さて、成功した人には解りますが、馬車の中から何やら泣く声が聞こえてきます。
レーン:コンコン。「失礼します」
GM:ちなみに鍵は閉まっているからね。
ジェフ:鍵なら私の出番だ。
レーン:「何を泣いておられるのですか?」
GM:泣いている少女、メアというのだが、彼女が「故郷の親を思うと……シクシク」
レーン:「あれ?あなたは自分から望んで男爵の屋敷に行くのでは?」
GM:「はい、家族に少しでも仕送りしようと……でも、でも……」
レギオス:こいつは泣き上戸か!
GM:はあ!?ちなみに泣いているのはガルディさんじゃないよ。メアさん。
ウィリアム:でしょうね。あんなむさくるしいおっさんが泣いていたら気持ちが悪くて背筋がぞくっとくるわ。
レーン:こういう相談は誰にすべきであろう?やはりナイトか?
コレガー:やっぱりこういうのはプリーストじゃないか?
レーン:いや、チャ・ザは商売に走るからダメ。エフは?
エフ:私は憤然とした爆発を感じるぜ!
レギオス:GM、そのお嬢さんはどこの出身?
GM:その人?その人は…(そんな事まで考えちゃいないぞ。時にPCは聞いて欲しい所は聞かくて、細かい所を聞いてくるからなあ)アラニアの辺境の方と言っている。あっと、もう少しで交代の時間だよ。
ウィリアム:寝よ寝よ。
ジェフ:ほっといていいんじゃない?
レーン:どうします、この件?(司祭より司祭らしい精霊使い)
エフ:どうしよう。本人たちは逃げたがっているんですか?
GM:「すいません。もう心配しないで下さい」とメアは言っているが、他の人達も口には出さないが同じ気持ちだろうね。

 この後「結局放っておこう」という結論に達するのに時間はかからなかった。まだ一部は諦めていないが……

GM:さて、4日目の朝を無事に迎えることができました。
エフ&コレガー:♪朝だ朝だ〜よ 新しい朝が来た 希望の朝だ〜♪
GM:(何二人で歌ってるんだ?)ワンダリング・モンスターは出てこなかったよ。
チャカ:期待させておいて!
エフ:「今日で着くんですよね」
GM:「昼には着くでしょう」
レーン:「そうだ、商人のおっちゃん」
GM:「はい?」
レーン:「『かくかくしかじか』で、こういう事を言っている娘がいるんですけど、解放できないものですかねえ」
GM:「バカなことを言うもんじゃないよ!あの娘から望んできたんだよ!」
レーン:「だから今から契約破棄はできないのか?」
GM:「できないに決まっているだろ!金は親に渡してあるんだよ。いくよ。ハッ」馬は鞭をあてられて前進して行きます。
エフ&コレガー:♪ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜 女を乗せて〜 ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜 荷馬車は行くよ〜♪ うぅ、悲しい。
一同:(笑)
ジェフ:おまえら怖いぞ。
GM:ところで皆さん、4日目の夕方です。先頭にいるジェフ君には大きな門が見えてきました。
ジェフ:「街だ!おーい、後ろの人ー、これがジンガム領であっているのかー?」
GM:そうだと返事が返ってくる。
エフ:おーい、みんな着いたぞ。
GM:という訳で、君達は馬車のまま門を潜っていきました。
コレガー:通行税はいらないのね。
GM:通行税はいりません。ガルディさんが全部払ってくれました。
コレガー:ありがたい。(どこからか拍手まで聞こえてくる)
レーン:おっと、これで着いたなら酒もおごってもらわな。
チャカ:そうや!金・金・金金金金金金……
エフ:それじゃ後金払ってもらいましょうか。
GM:「そうそう、皆様どうもここまでありがとうございました」という訳で100GP貰って下さいね。「それじゃあ私はここで失礼しますので」と言うと彼は馬車をめぐらせ…
チャカ:ちょっと待った!
GM:「はい?」
チャカ:「困ったことがあればチャ・ザのプリーストまでよろしくお願いします」
コレガー:「心の隙間をお埋めします。ババーン(笑)」
エフ:ここの街なんという街だっけ?
コレガー:知らん。忘れた。
エフ:GM、この街なんていう街でした?
GM:えーと、ジンガム男爵領。
エフ:ジンガムっと(メモをする)。
エフ&コレガー:ジンガム……♪燃え上がれ〜 燃え上がれ〜 燃え上がれ〜ジンガム〜♪
レギオス:何でここまでノリがいいねん。
GM:ちなみにここで一番大きい神殿はチャ・ザです。
チャカ:おおー、パチパチ。(拍手)
ウィリアム:店に行っていい?
GM:いいよ。じゃあ、買い物タイムにしようか。
 RPGにおける楽しみの一つに『買い物』がある。手に入れた金で自分の装備を買い揃えていくことにより、端的に成長させることができるのだ。

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