~その2:奥歯の治療~
白い歯が素敵! |
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ちょっと昔までは、奥歯の治療といったら虫歯の部分を削って金属を詰めておしまいでした。 でも現代では大きく口を開けたり笑ったときに見える白い歯が素敵!という意識が高まって、いかにして自然な見た目の詰め物、かぶせ物で治療するかが求められるようになっています。 ところがいざ患者さんになっても、どんな治療方法があるのか、その長所短所や費用について詳しく知る機会はなかなか少ないようです。 そこで白い歯を入れるための治療について、前歯と奥歯に分けて2回にわたりトピックスに取り上げることにしました。 今回はその奥歯編です。 |
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奥歯の治療ってどんなもの? |
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奥歯は歯科用語で臼歯(きゅうし)と呼びます。 これは、食べ物をかんだりすりつぶしたりするのに適した臼(うす)のような形になっているからです。 ここで臼歯と呼ぶのは、犬歯(糸切り歯)から後ろの奥歯をさします。 ところが、臼歯といってもその存在はかむ時だけのためにあるわけではありません。 にっこり笑ったとき、お口のとても小さい方ではまれに犬歯(糸切り歯)までしか見えないことがありますが、一般的にはその1~2本後ろの歯(小臼歯)まで見えて、笑顔の美しさに大きく影響しているのです。 美しい笑顔の代表格であるハリウッドスマイルを誇る海外の女優さんたちは、にっこり笑っただけでもかなり奥の歯まで見えます。 日本でも笑顔が輝く方の中に、歯にかぶせた金属がキラめく人はみかけません。しかも大きく口を開けて笑えば、下顎の奥歯は全部丸見え。 美しい笑顔には白い前歯だけでなく白い奥歯も欠かせない要素なのです。 |
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まず、奥歯の治療には大きく分けて2種類あります。 ひとつは、虫歯や打撲で歯が小さく欠けた時に、その部分を歯とよく似た色の材料(レジン)で詰める治療です。 虫歯の部分を最小限に削り、欠けたところにレジンを詰めて固めます。 近年、レジンの材質や歯との接着性が非常に良くなっており、色も豊富に揃うようになりました。 この長所は白い歯に見える上に自分の歯質を最大限に残せること。 そして、治療が1回で済み、保険が利くことです。 短所は、レジンには水を吸う性質があるため、長期間たつとだんだん色が悪くなってしまう点と、かみ合わせているうちに擦り減ったり欠けたりする点です。 長期間の耐久性に欠けるといえます。 もうひとつは、歯の一部あるいは全体を削ってから歯型を取り、その模型上で作った詰め物(インレー)あるいは歯の形をしたかぶせ物(冠)をする治療です。 虫歯が大きかったり、歯の神経を取る治療をした後に行います。 型を取ってから作るので、最低でも2回の治療が必要です。 詰め物や冠の材質には何種類かありますが、前歯の治療と大きく違うところは白い歯を入れたくても保険が利かないことです。 つまり、白い歯にするなら自費で治療するしかないのです。 それでも白い歯への欲求の高まりを受けて、歯に似た色の詰め物、かぶせ物が進歩してきました。 |
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金属の詰め物(インレー)を歯と同じ色にするには? |
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詰め物(インレー)を歯と同じ色にする場合、部位が小さければレジン、大きければハイブリッドセラミックスかセラミックス(ポーセレン)で治療します。 ハイブリッドセラミックスは近年開発された新素材で、特殊光で硬化させます。 色つやが歯の色に近く、しかも天然の歯の硬さに近い素材です。 弱点としては、長期間たつと色つやが落ちたり、色が若干変わることです。 セラミックス(ポーセレン)はハイブリッドセラミックスよりも硬くて透明度の高い素材で、陶器と同じように窯で焼いて硬化させます。 現時点で自然な歯の色つやに一番近い美しさを出せるのはセラミックスです。 ただ、この弱点は衝撃にもろいことで、陶器のお皿やコップと同じように欠けやすく、強くかみ合う部分には若干使いづらい素材です。 |
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かぶせる冠を歯と同じ色にするには? |
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かぶせる冠には、金属の土台の表面に歯と同じ色の材料を盛った構造のものと、金属を使わず歯と同じ色の材料だけでできたものとがあります。 この歯と同じ色の材料は、ハイブリッドレジン(CAD/CAM冠:平成26年度から保険適応)、ハイブリッドセラミックスとセラミックス(ポーセレン)があります。 ハイブリッドセラミックスを使う場合、金属の土台を使わない冠はジャケットクラウンと呼ばれます。 セラミックス(ポーセレン)を使う場合、金属の土台に焼き付ける冠はメタルボンド、金属の土台を使わない冠はオールセラミックスと呼ばれます。 |
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左の写真は、上の歯が金属の土台を使った冠、下の歯が使わない冠です(セラミックス)。 上の歯のハグキに近いところに金属のラインが見えるのがわかりますね。 (これは歯の裏側だけで、唇側には金属のラインはほとんど見えません。) 右の写真のように、かみ合わせの面からみるとどちらも歯と同じ形と色にできあがっています。 ここで、金属の土台を使う利点は薄くても強さが得られることです。 特に、冠の辺縁部分の適合が良いのが良いところ。 逆に、金属の土台を使わない場合の利点は金属アレルギーを起こさないことです。 どの冠を選んだらよいのかわかりにくいので、長所と短所を表にしてみました。 |
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シンプルに選ぶとしたら、 ①美しさを重視するならセラミックス(メタルボンドかオールセラミックス) ②かみ合わせの力が非常に強い場合には金属+セラミックス ③金属アレルギーのある方にはCAD/CAM冠、ジャケットクラウン、オールセラミックス ④にっこり笑った時に見える小臼歯を保険で白くしたい場合にはCAD/CAM冠 というところでしょうか。 ちなみに、当院では見た目と耐久性、適合性を重視してセラミックスが一番のお勧めです。 ただし、小臼歯については金属を使わないCAD/CAM冠もお勧めです。 どうです?選べましたか?結構難しいですね。 簡単なポイントを挙げましたが、実際には歯の形や並び方、かみ合わせ等によっても選択肢が変わります。上記の長所と短所を参考にしながらドクターの意見を聞いて選んでください。 そして必ず自分はどんなときに今の歯が気にかかるのか、どんな歯を求めているのかをしっかり自覚してから治療を開始することをお忘れなく。 決してお安い治療ではないですので、最後に自分がしっかり満足できるようドクターとたくさんお話するのが成功の秘訣です! ※2017年より、金属アレルギーと診断された方は、保険で大臼歯にもCAD/CAM冠が作成できるようになりました。 また、2018年より、部位と条件によってはどなたも奥歯にCAD/CAM冠を選ぶことが可能になりました。 詳しくはお問い合わせください。 前歯の治療についてはこちらをどうぞ! |
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