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新しい義歯の使い方
活きた義歯(入れ歯)になるまでに〜

 失った歯のかわりに発音や噛む機能を回復し、美しい口元を取り戻すための義歯(入れ歯)。人生80年の現代では、多くの方が義歯をお使いになります。
 お口に合わせて精巧に作られていますが、初めていれるとき、あるいは新しいものに変わったときは、その義歯に慣れるまでにいくつかの注意していただきたいポイントや、慣れるための練習があります。
 「義歯はぴったりに作られているのだから、すぐに合うはずだ!」とお考えになるかもしれませんが、実際、お口は様々な動きをするので、最初からぴったりということはほとんどないと言っても過言ではありません。
 ハグキや頬、唇の粘膜はほんの些細な刺激にも敏感です。新しい義歯がご自分の身体の一部として、活きた義歯となるように願いながら、今回のトピックスをまとめることにしました。


写真は歯が残っている方が使う部分床義歯
 
 まずは義歯に慣れましょう
 義歯は水に濡らし、手指で丁寧にはめましょう。最初は鏡を見ながら取り外しの練習をしてください。

 初めての義歯は、今までお口の中になかったものですから、始めはどうしても気になるものです。
 主に次のようなことに気になるようです。
  唾液が出やすい
  歯やハグキが少し締め付けられる気がする
  おしゃべりが難しい
  食事のときに飲み込みにくい
  食べ物・飲み物の温度や味に対して少し鈍感な気がする
  気持ちが悪かったり、吐き気がする
 以上の多くは2〜3日もすると慣れて気にならなくなります。
 しかし、長く続く場合は歯科医師にご相談ください。

 義歯と上手なお付き合い
 お口の柔らかい粘膜の上に硬い義歯をはめるのですから、うまく使えるようになるまでには実は練習が必要です。
 主にお食事とおしゃべりの練習を行ってみましょう。
1.食事の練習
 最初は豆腐・煮魚・野菜の煮物などの軟らかい物や小さく切った物を、奥歯でゆっくりかんでください。
 慣れてきたら、だんだんと硬いもの、大きい物にしていきます。
 お食事で使って痛みがある場合は、早めに歯科医院を受診してください。義歯は少しずつ調節しながらお口の動きに合うようにしていきます。我慢しても自然と良くなることはまれですので、始めのうちは頻繁に細かい調節が必要と考えてください。
 ある程度慣れるまでに1ヶ月、ほとんどの物が食べられるようになるのに3ヶ月はかかります。無理な使い方を避けて、ゆっくり気長に食事を噛む練習をすることが大切です。

 義歯をお使いの方のお食事で注意するポイントを挙げました。
●硬いもの、歯切れの悪いものは調理で工夫!
 一般的には、硬くて歯切れの悪いイカ・タコ・あわび・固いパンの皮や、ツルツルすべるこんにゃくなどは義歯にとって方の食べにくい食材です。
 包丁で切れ目を細かく入れて歯切れを良くしたり、肉では薄切りを重ねてボリュームを出すなど、調理で工夫すると、、家族で同じ食材を楽しめます。
●つぶつぶ食品は気をつけて!
 ごまやイチゴのつぶつぶは、義歯とハグキの間に入るととても痛いもの。つぶつぶ食品は一度にたくさん口に入れないようにしましょう。もしつぶが入りこんでしまったら、思わぬ痛みの原因になりますので早めに義歯をはずして取り除きましょう。
●粘着性のものは少しずつ!
 義歯に粘着する代表的な食べ物はお餅です。お雑煮のように水分たっぷりにして粘着性を弱めたり、一口を小さくして少しずつ食べれば大丈夫。大きな焼き餅をがぶりと大口で頬張る、なんてことは危険ですので避けましょう。

無理せずゆっくり
かみましょう




2.話し方の練習
 義歯をはめてすぐは話しにくく、またご自分の声と違うような気がすることがありますが、これはお使いになるうちに慣れて気にならなくなります。
 まず、発音しにくい「サシスセソ」「タチツテト」の練習をしましょう。
 大きな声を出して新聞や本を読むのも早く慣れるための練習になります。鏡の前で表情を観察してみるのも良いでしょう。
 カラオケなどで歌うのも楽しい練習になりますよ。


 義歯のトラブルを防ぐには
1.こんなときはすぐに歯科医院を受診しましょう

 ◇義歯があたってハグキに傷ができている
 ◇舌や頬の粘膜をよく噛む
 ◇食事が非常に噛みにくい
 ◇極端に発音しにくい
 ◇食事や会話中に義歯がはずれる

 中でもハグキの痛みがでたら、受診できるまでは義歯をお休みして傷を大きくしない方が賢明です。ただし、受診する前のお食事では、痛みが激しくない程度にいたわりながら義歯をはめて噛んでみてください。そうすることで義歯が強く当たっている部分の粘膜は赤みが強く出ますので、調整する際に大変参考になります。あまりにも痛みが激しい場合には、お使いにならずにまずは調整してもらいましょう。

2.大切に取り扱いましょう

 義歯は清潔に保ち、変形しないように注意することが必要です。

 ●歯磨き剤はつけずに、義歯専用ブラシあるいはハブラシを使って、水で洗ってください
 落としたり流したりしないように、洗面器等の上で洗いましょう。バネや金属の部分も丁寧に洗いましょう。
 義歯洗浄剤を定期的にお使いになると臭いや汚れがこびりつきにくくなります。
 義歯のお手入れについて詳しくはトピックス「なるほど、義歯講座」を参考になさってください。

 ●ご自分の歯が残っている場合は、その歯のハグキ近くをよく磨いてください

 ●義歯をヤスリで削ったり、ペンチで曲げるなど、自分で調節するのは非常に危険ですのでやめましょう。

 ●義歯は乾燥するとゆがんだり割れたりしやすくなります。はずしているときはタッパー等に水を入れて保管してください。

 ●硬いものの上に落としたり、熱湯をかける、火にかける、直射日光が当たる場所に置くなどはやめましょう。

 ●不必要に義歯を舌や唇でいじらないようにしましょう。

 ●慣れて調子がよくなっても、半年に一度は歯科医院で定期検診を受けましょう。

 Q&A

Q1:新しい義歯が合わなくて痛いとき、慣れるまで我慢したほうがよいでしょうか?
 ⇒義歯による痛みは我慢するとさらに傷が大きくなり、症状が悪化する場合があります。
 新しい義歯をいれると、ほとんどの痛みは翌日〜1週間のうちに発生します。「必ずどこかしら痛みはでる」というつもりで、はじめての義歯で食事を数回行った後は必ず一度歯科医院で義歯の調節を受けましょう。
 1〜数回の調節で痛みは改善しますので、出来るだけ最初のうちはこまめに受診すると、より早く使いやすい義歯になることでしょう。

Q2:義歯を24時間つけたままにすると問題がありますか?
 ⇒24時間つけたままにすると、常に粘膜が圧迫された状態になり、粘膜と義歯の間に溜まった汚れに細菌などが繁殖しやすいことから、粘膜の発赤、出血、口臭、味覚異常、残存歯のむし歯の進行などのトラブルが起こりやすくなります。
 高齢者、なかでも寝たきりの方では、汚れがたまってカンジダ菌(カビの一種)が繁殖し、重症になると発熱や全身倦怠感など内科的処置が必要となる場合もあります。
 基本的には、義歯は就寝時ははずしてお口の粘膜を休めましょう
 ただし、義歯をはずして寝ることで問題がある方(顎関節症の方、残存歯の保護が必要な方、はずすと眠れなくなる方など)は、食後の数時間を「義歯の休憩時間」にする工夫が必要となります。

Q3:義歯をはずしたままにしておくと問題がありますか?
 ⇒ご自分の歯が残っている場合、義歯を維持するために針金をかけている歯が傾斜したり移動することがあります。常に義歯をつけていればそのような動きは防ぐことができますが、長くはずしたままにしておいて歯が動くと、義歯を入れることができなくなったり、歯に過剰な力がかかってトラブルの原因となることがあります。
 また、歯が残っていない方では、義歯を入れないままでいるとお口の粘膜とともにアゴの骨が変化して、義歯が合わなくなることがあります。
 義歯をお使いになると、発音や咀嚼、見た目が改善します。人とのコミュニケーション、おいしい食事、自信をもった笑顔などは生活の中で生きる活力を生み出す元気のもとです。義歯を使わないことでこれらが満足にできないこと、その状態に慣れてしまうこと自体がもったいないことではないでしょうか。

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