ネズミの名前は全部「チー」


マカロニマウス(オブトアレチネズミ)が我が家の一員になったのは平成8年の8月、行き付けの熱帯魚屋さんに行った時、珍しいネズミだったので1Pを買って帰った。

見た事もない飼い方も分からなかったが、店のマスターに教わりながら飼育を始めた。

目が大きく、独特のまさにマカロニみたいな尻尾が愛嬌で、動作はどう見ても早いとは言えない、ハムスターとか可愛いネズミは何種かいるが郡を抜いて可愛い。
日中は仰向けになったり重なり合ったりして寝ている、夜になると起きて来て餌をねだる、名前はオスもメスも「チー」となった。

人にとてもよく慣れる、指を入れるとしがみついてくる、手の平でひっくり返すとお腹を上にしたまま動かない、シャツのポケットの中で寝てしまう、すぐにオヤジの晩酌の友となった。

ある朝ケージが空っぽになっていた、ケージの入口が開いている、勝手に開けたのか?何処へ行ったのか。
「チー、チー」と言いながら探して歩く、探して歩いている私の後ろで何かの気配がしている、何の事はない私の後を「チー」がついて回っていた。

そんな「チー」もその年の冬に親に成る、以後3度の出産で合計7匹を育て上げた。
店のマスターが言っていたとおりネズミにしては非常に少ない繁殖数だ。

3度の子育てを終える頃にはメスの方は見る影もなく痩せ細ってしまった、自慢のあの尻尾も糸のように細くなってしまって。
しかし、その姿から私が受けた印象は、痛々しいというよりもやり遂げたけなげなお母さんという感じだった。

そして平成10年の5月のある朝、静かに死んだ、オスの方も程なくして死んだ。
このネズミの寿命はどのくらいなのか、店のマスターも知らなかったが、目いっぱい幸せに生きたと思う事にした。

今、我が家には「チー」の子供たちが4匹元気に暮らしている、もらわれていった子供たちも皆元気だ、「チー」の前例からいえばこの子たちももうそろそろ寿命なのかな、そこんところは未だによく分からない。
あ、そうそうちなみにこの4匹の子供たちの名前はやっぱり全部「チー」です。


追伸

マカロニマウスの目がヘン 我が家で生まれ育ったマカロニマウスのうちオスの1匹がちょっとヘン。

何がヘンかというと目がヘンなのだ、病気の一種なのかも知れないが定期的に目が取れてしまうのである、そんなオカルトなと言うかもしれないが本当です。

最初にこれが出たのが生後1年目くらい、右の目が何となく大きいかなと思っていたら日が経つにつれてどんどんと出っ張ってきたのです。
飛び出すのではないかと思うくらいに、そしてそのうち本当に飛び出してきました。
表面が曇った感じになりやがて乾いてきました、カサカサパリパリに。

他のマウスは異常ありませんので「この子は生まれつきの異常体質で長くないのかな」とかペットにままある〔ポップアイ〕かなと思っていましたら、なんとある日それがポロリと取れてしまいました「目玉がとれた」。

驚いたにはその後です、取れた目玉のその後に目玉がまたあったのです、そして何事もなかったように今まで通りの生活です。

そして1年後忘れていた頃にまた出ました〔目ん玉飛び出し再生症候群〕。
前とまったく同じ経過を繰り返しそして何事もなかったように終了。


後記

その後このネズミはショップでもあまり見当たらなくなった。
繁殖力が弱く、その為値段が高いのが原因だろう(ハムの10倍はする)
しかし、このネズミの可愛さを知ったら絶対ブレイクするんだと思うんですが・・ね〜。