こんにちは
おじいさんの古時計、この歌を聴いたことがない方、いますか?
よく知られた歌ですけど、この歌のいわれを知っている人はあまりいません。
歌のいわれなんかを知って歌うとまた違った気持ちになるものです。
日本の歌手でも、ステージで歌う時に必ず歌の成り立ちなどを紹介する方がいますが、そのことで普段聞き慣れていた歌がとても新鮮に聞こえてくる、なんて事があります。
2002年に平井堅が歌う「大きな古時計」が大ヒットしました。
どこの国の歌?
どんな時計?大きさはどのくらい?
100年動いていたって、じゃあ「おじいさんは何歳までいきたの?」
動かなくなって今はどうしているの?
この歌はもともとアメリカの歌でした。
日本に来たのは(1962)52年前で、NHK「みんなのうた」で歌われました。
日本語の歌詞は、「一休さん」「ドカベン」などを作詞もある保富庚午(ほとみこうご)という人です。
この訳詩は原詩と少し違いますが、日本人の心に合って受けました。
★大きな古時計のエピソード
ヘンリ・クレイ・ワークってご存知ですか?
フォスターと並んで19世紀のアメリカを代表する作曲家なんです。
日本では、大正時代に流行したコミックソング「パイノパイノパイ」(東京節とも言う)の曲で親しまれた人です。
ヘンリー・クレイ・ワークは(1874)141年前、仕事でイギリスのダーラム州ピアスブリッジの「ジョージ・ホテル」という所に宿泊しました。
そこのホテルのロビーにこの大きな古時計がありました。
立派な時計なんですけど、よく見ると全く動いていません。
そこの主人に「時計が止まっていますよ」と忠告しました。ところが主人は平気な顔で、「判っています。これには理由があるのです」と笑って話を始めたのでした。
「ジョージホテル」はかって、ジェンキンズという兄弟が経営していました。
とても評判が良かったのです。
高さが2メートルを超える大きな時計。
それはジェンキンズの兄さんが生まれた日にお祝いに買って来たものでした。
とても正確な時計で、その日から、チクタクと休むことなく、時を刻み続けました。
みんなこの時計を頼りにしていました。
このホテルのシンボルのなっていたのですね。
時が流れて80何年、弟が病気で亡くなりました。(何の病気でしょう?)
そうしたら、それまでずっと、正確だった時計が、急に遅れるようになってのです。
少しずつ遅れの度合いは増して、とうとう1日に15分も遅れるようになりました。
修理をしても直りませんでした。
80何年ですから、古くなったせいかもしれません。
弟の死と時計の遅れは偶然に起こったことかもしれません。
でも。
弟の死から1年少したった頃、今度はお兄さんが高齢から来る病気で亡くなりました。(何の病気でしょう?)
葬儀の後、友人たちがホテルのロビーに集まり、挨拶や故人の思い出話をしていると、友人の一人が、ふと時計を見てつぶやきました。
「時計が止まっている」 ホテルのロビーはざわめきました。
しかも、動きを止めた時計の針が指している時刻、11時5分。
それはお兄さんが息を引き取った時刻と同じです、みんな驚きました。
彼の死の瞬間の時刻で振り子は止まっていました。
亡くなったお兄さんの人生は、この時計と共に始まり、終わったのです。
時計は11時5分を指したまま、ずっとここに置かれるようになったのです。
ジョージホテルの主人から聞いたこの不思議なエピソードは、ヘンリー・ワークに強烈なインスピレーションを与えました。
彼は疲れていたにもかかわらず、その日、一晩中かかってこの曲を書き上げました。
ワークはこの曲を早速アメリカに持ち帰り、"Grandfather's Clock"(おじいさんの時計)として発表しました。
すると、この歌はまたたく間に多くの人々に歌われ、大ヒットしたのです。
ちなみに、これまで、縦型の大きな時計は一般的に「Coffin Clock(棺おけ時計)」とか「Long case Clock(ロングケース・クロック)」などと呼ばれていましたが、この歌のヒット以来、この種の大きな縦型の時計は、"Grandfather's clock"(おじいさんの時計)と一般的に呼ばれるようになました、この歌は時計の呼び方まで変えてしまったのです。
★歌のモデルの大きな古時計はどうなっているの!
イギリスのThe Goerge Hotelには今でもこの曲のモデルになった、大きな古時計が現にあるそうです。
この歌のモデルになったと言われる、イギリスのThe Goerge Hotelは今でも営業し、11時5分で止まっている大きな古い時計が、有名な曲のモデルとして置かれているそうです。
イギリスに行く予定のある方? ぜひ行ってみてください。
(日本語歌詞:直訳)
おじいさんの時計は 棚に置くには大きすぎ、90年間床の上
高さはおじいさんの1.5倍、でも重さはおじいさんとほぼ一緒
おじいさんが生まれた日の朝に買われて、それからずっとおじいさんのご自慢の宝物
※
90年間休むことなく (チク タク チク タク)
時を刻み続けた (チク タク チク タク)
でも止まってしまって動かなくなっちゃった
おじいさんがいなくなってから
右へ左へ揺れる振り子をずっと眺めながら、おじいさんは子供時代を過ごした
子供のころから大人まで 時計は知ってた、そして分かち合ってた 喜びも悲しみも
だから24回鳴ったんだ、おじいさんが花のように美しいお嫁さんを連れて入ってきた時
おじいさんは言ってたよ 召し使いじゃないけど、とても信用できるものを見つけたと
時間を無駄にしないし 毎週末にネジを巻かれることだけが望み
いつも同じ場所でイヤな顔ひとつせずに、怠けることもない
おじいさんが死んだ夜 目覚ましが鳴った、何年も鳴っていなかったのに
そしてみんな知ったんだ、おじいさんの魂が天にのぼろうとしている
旅立ちのときが来たんだ
やさしく包みこむような音を鳴らし まだ時計は動いていた
僕たちが静かにそばに立っていた時
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