勇気の旗高く 池田先生と山梨
2019年10月21日

山の如く揺るがぬ心で

広布の人材城建設への誓いを込め、池田先生の指揮で「武田節」などを合唱した山梨総合本部幹部会(1969年11月19日、富士吉田市内で)。本年は50周年の節を刻む

師弟の人材城
山々に抱かれた山梨県。1955年(昭和30年)、県内で行われた水滸会の野外研修の折、戸田先生は語った。「この山紫水明の天地に、広宣流布の人材の城を築きたいな」。池田先生はこの恩師の言葉を胸に、幾度となく足を運んできた。2007年(平成19年)、山梨最高協議会に出席した池田先生は、師弟の精神について語った。

戸田先生は、天下の要所である山梨をこよなく愛し、大切にされた。この地で、青年を薫陶してくださった。
山梨には、創価の師弟の深い縁がある。重大な使命の天地なのである。
山梨創価学会の前進は、まことに立派である。偉大なる広宣流布の歴史を現実に大きく切り開いてくださっている。
私はいつも、戸田先生のお心を思い、そして、広宣流布の新時代を展望して、山梨を訪問させていただいている。

私は、ただ師匠のために戦った。
師匠に直結しない戦いは、いかなる戦いも意味がない。そう、私は決めていた。
全部、戸田先生の言われる通りに戦ってきた。
これが師弟である。

山梨の皆さまには、本物の師弟直結の人材城を築いてもらいたい。
皆さまはどうか、私とともに、真実の師弟の道を歩み抜いていただきたい。そして、勝ち抜いていただきたい。
師弟の精神が盤石であれば、それが土台となり、因となって、「大山梨」を築くことができる。
そうした見事なる「大山梨」ができれば、日本中、いな、世界中に、勝利の波動は広がっていくのである。

行学の二道を
山梨は、日蓮大聖人が晩年、末法万年の未来のために諸御抄の御述作と弟子の育成・教化に当たられた地である。1997年(平成9年)、その山梨に教学研修センター(笛吹市)がオープン。池田先生は開館間もない6月10日、同センターを訪れ、御書講義を。その中で「『教学第一』の山梨たれ! 『行動第一』の山梨たれ!」と呼び掛けた。

「心こそ大切なれ」(御書1192ページ)――これが、大聖人の根本の教えである。この「心」を、どうつくるか。
すなわち、一念に三千を具する、わが「心」を、どう鍛え、どう磨き、どう人間革命へと回転させていくか。そのために信心があり、学会活動がある。

大聖人は、この山梨の地から、四条金吾に、「陰徳あれば陽報あり」(同1178ページ)――人の目に見えないところで積んだ徳は、必ず目に見える報いを受けることができる――と励ましておられる。
金吾は、それまで、妬みの讒言によって、主君から遠ざけられていた。その難を、金吾は、けなげな信心と、真心の行動で見事に乗り越え、信頼を勝ち取っていった。
門下の勝利の姿を、大聖人はこよなく喜ばれながら、重ねて、こう仰せになられた。
「此は物のはしなり大果報は又来るべしとおぼしめせ」(同ページ)――これは、まだ始まりです。さらに大果報が来ると確信しなさい――。
法のための労苦は、すべて功徳となって、わが身を飾る。見えない陰の献身の行動が、目に見える結果となって、福徳は汲めども尽きない泉のごとくに、ぐんぐんと満ちてくる。
その確かな幸福の軌道に、皆さまは間違いなく入っておられる。この軌道から、絶対に外れてはならない。そのためにも、教学を学びゆくことが大切なのである。

「諸法実相抄」の有名な御文にいわく、「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし」(同1361ページ)――行学の二道に励んでいきなさい。行学が絶えてしまえば仏法はない。自分自身も行い、人にも教えていきなさい。行学は信心より起こるのである。力があるならば一文一句でも語っていきなさい――と。
どうか、わが山梨の皆さまは、日々、少しずつでも、御書を拝していただきたい。
そして、あの山々のごとく、揺るがぬ確信を築くことである。また、雄々しき行動へと勇みゆく、模範の「実践の教学」であっていただきたい。

何かで日本一に
かつて、上杉謙信と覇を競い、徳川家康・織田信長の連合軍を破った、武田信玄の軍団を輩出した山梨。2007年、池田先生は「首都圏を、さらには日本と世界を、堂々とリードしていっていただきたい」と、山梨の前進に期待を寄せている。

山梨は、最強の武田信玄の軍団を生み出した天地である。
同じ生きるなら、誇り高く生きるのだ。
仲良く前進!
朗らかに勝利!
そして日本一の充実した山梨を築いていただきたい。
何かで「日本一」を目指すのだ。
折伏日本一! 人材日本一! それも、すごい。
「団結日本一!」「朗らか日本一!」。これもまた素晴らしい。
――あの山梨の団結を見よ! 山梨は、どこか違う。あの姿の中に、真実の創価学会の魂がある!――
こういわれる模範の県を、築いていただきたいのだ。
それには、お金はいらない(笑い)。心で決まる。難しい話も、必要ない。心一つで決まるのだ。
ほかのどこよりも麗しい、異体同心の前進をお願いしたい。

立ち上がるのだ。
行動するのだ。
波を起こすのだ。
外へ、外へと打って出るのだ。折伏精神を胸に!
小さな世界にいるだけでは、新しい発展はない。停滞してしまって、傲りの心、退転の心に侵されてはならない。
列車も、飛行機も、どこかへ向かっていく。進まなければ、目的地には着けない。これが道理である。
人もまた、生き生きと、新天地に向かって飛び出すのだ。心を外へ開くのだ。自分の殻を破るのだ。そこに希望の拡大がある。幸福の光が広がる。
勇んで、外へ打って出る――これが、勝利し、発展し続けていくための原則なのである。

明年は、「ニュー山梨」との指針が示されて35周年の佳節。春には、待望の新「山梨文化会館」の完成が予定されている。山梨の同志は今、建設のつち音とともに、幸福の光を広げている。