勇気の旗高く 池田先生と三重
2019年09月30日

信仰は「永遠の希望」

さわやかな秋空の下、日の光を受けて咲き薫る花々(1985年10月、三重・津市内。池田先生撮影)

師弟一体の闘争
本年は、三重にとって幾重にも広布の佳節を刻む意義深き年である。1959年(昭和34年)10月5日、池田先生は伊勢湾台風の甚大な被害に見舞われた四日市方面を訪れ、同志の激励に奔走。この「三重初訪問」から60周年を迎える。その10年後の69年(同44年)12月には、高熱を押して松阪・伊勢を訪問(本年で50年)。当時の様子が、随筆につづられている。

『万葉集』にも薫り高く歌われた美しき三重――。
しかし、戦後にあっては、あの伊勢湾台風の被災や四日市の公害など、三重の方々は厳しい試練も受けた。
そのなかで「立正安国」の法旗を掲げた同志も、悪口、中傷、村八分等の圧迫に耐え抜き、必死に広宣流布の道を切り開いてきたのである。
“友よ、負けるな、断じて負けるな!”
一九六九年(昭和四十四年)の暮れ、私はそう念じながら、三重の皆様のもとへ駆けた。
三日前に大阪入りした時は四〇度の高熱であり、まだ発熱は続き、体調は最悪であった。だが、私は、奈良に続いて、三重の松阪、伊勢へと苦しい体を走らせた。

弟子が懸命に戦い、待っているのだ。どうして行かずにいられようか。
あの日、私と三重の同志は「開目抄」を拝した。
「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし……」(御書234ページ)
いかなる苦難があろうが、疑いを起こして、「広宣流布に戦う心」を失っては絶対にならない! 「我並びに我が弟子」と仰せのごとく、師弟一体で戦い抜くのだ!
ここ三重の地に、わが魂魄を留めんと、時々刻々、命の限り戦った歴史は、絶対に忘れることはできない。

10・6「三重の日」が制定されたのは74年(同49年)。本年で45周年を迎える。制定から2年後、中部第一総合研修所(現・三重研修道場)で行われた記念勤行会では、池田先生を囲んで「人間革命の歌」を高らかに歌った。席上、先生は恩師・戸田先生の言葉「御本尊に対して、つねに感謝の気持ちがある人は、ますます福運が開かれていくものだ」を通して指導した。

ここでいう“感謝の心”とは御本尊を受持し、その功徳の源泉に縁することへの感謝であり、大勢の同志に守られ、指導、激励を受け、御書を学び得たことに対する感謝という意味です。
この強い感謝の一念は、自分自身の境涯を大きく開き、功徳の薫風を生命の宮殿に吹き込ませる福運開花の本因につながるのであります。
日々の仏道修行に心から感謝している人は、やはり諸法実相の道理で、なんともいえない福々しさがある。皆さん方も、そういう人生を築き、悠々自適の生涯を送られんことを心から願望してやみません。

「信念の人」は若い
池田先生は92年(平成4年)12月15日、三重・津市にある中部池田記念墓地公園を訪問。6日間の激励行は、今も多くの同志の胸に刻まれている。同19日には、第9回中部総会が開かれ、先生は「創価」とは「無限の希望」であるとスピーチした。

「ホープ」――人生の「希望」は無限である。
私は、いつもいつも御本尊に祈り、念じてきた。何があろうとも、わが創価学会員に「無限の希望」を与えたまえ、と。
その通り、学会には、年ごとに、いよいよ壮大なる希望の道が広がっている。
「信心」は「無限の希望」である。そして、「創価」とは「無限の希望」である。
向上の人生、努力の人生、信念の人生には、希望が湧く。

何があっても、永遠に「希望を生み」「夢を実現」しながら生き抜いていく。それが仏法者の人生である。

アメリカの詩人、サムエル・ウルマンについては前にも紹介したが、彼の詩をふまえているとされる、次のような言葉がある。

人は信念と共に若く
疑惑と共に老ゆる。
人は自信と共に若く
恐怖と共に老ゆる。
希望ある限り若く
失望と共に老い朽ちる。(松永安左エ門訳)

素晴らしい、有名な言葉である。
人を「若く」するもの。それは「信念」である。
確固として「信ずる」「念ずる」――その一念が生命の力を強める。
正しきものを信じ、正しき方向へと念ずるゆえに、正しき、幸福への信念となる。「正法」を実践する私どもこそ、最高の「信念の人」なのである。ゆえに若い。ゆえに、はつらつとしている。

「人は自信と共に若く」――と。
どんな課題、どんな試練であれ、「さあ、来い!」という「自信」である。「わが地域は、必ず大勝利してみせる」という気概である。そこから前へ、前へと進む不屈の力が湧き出ずる。
実力が伴わない自信もあるが(爆笑)、要は、何でも率先してやろうという一念が大きく人生の道を開いていく。

ともあれ、「信念」に燃え、「自信」と「希望」がある限り、人は若々しく、生き生きとしている。その人こそ、真に生きた人、勝利を得た人、生命の勲章を得た人である。
ここに、人生の究極もある。信心の究極もある。仏法の究極もある。
私どもの正しき信仰は、希望と確信の人生を生きる「根源の力」である。この「力」を知るゆえに、わが創価学会は、何ものも恐れない。「永遠の希望」に生きることができる。
勇壮なる飛翔を
10月が来ると、三重の同志の心はいや増して燃える。青年部は現在、10・7「三重青年部 師弟誓願の日」へ、記念月間を躍進。あす1日からは、各部一体で10・6「三重の日」を祝賀する記念月間がスタートする(10月31日まで)。先生は、愛する三重の友に呼び掛けた。

三重県の形は、「翼を広げた鷲」の姿に似ているといわれる。
四日市・桑名方面が一つの翼、熊野・尾鷲方面がもう一つの翼であり、伊勢・鳥羽方面が頭部にあたる。そして、津・松阪などの中央部が胴体であろうか。
それぞれの地域が一体となって、栄光・大勝の空へ羽ばたく三重の皆様の英姿と重なって見える。
戦おう、三重の同志よ!
空飛ぶ者の王・鷲のごとく、大空に向かって勇壮なる飛翔を共々にしてゆこうではないか!
最も大切な庶民の真っ只中に飛び込み、偉大にして崇高な「人間革命」の波動を起こしゆこうではないか!
民衆が民衆のための勝利の凱旋曲を、我らの万葉の天地に心ゆくまで響かせてゆこうではないか!