創価大学・女子短大
2005年4月入学式

創価大学(第35回)、創価女子短期大学(第21回)の入学式で学生たちを励ます池田先生(2005年4月、創価大学池田記念講堂で)
〈春は新出発の季節。今年も多くの友が新たな門出を迎える。2005年4月1日、創価大学は第35回、創価女子短期大学は第21回となる入学式が行われた(東京・八王子市の創大池田記念講堂で)。創立者の池田先生は新入生を心から歓迎し、学問と親孝行の青春をと訴えた〉
新入生の皆さんのことは、よくうかがっています。皆さん一人一人のお名前を、いつも側に置いて、健康と成長と勝利の人生を深く祈らせていただいています。
きょうから、新たなる「学問の挑戦」が始まります。皆さんは、自分なりに立派に学びぬいて、必ず全員が「卒業」を勝ち取ってください。
このなかから、学問に徹して打ち込んで、博士号を取る人も出るでしょう。一流の企業で活躍する人も出るでしょう。またすばらしい人格を磨いて、大きく友情を広げていく人もいると思う。
大事なのは、この大学時代に、「自分はこれをやった!」という何かをつかんでいくことです。
そして、苦労して、君たちを大学に送り出してくださった、お父さん、お母さんに、心から喜んでいただける、そういう学生生活を送っていただきたい。約束です。
お世話になった方々に恩返しをする力をつけるために、皆さんは、大学で学ぶのです。また、その「心」がある人は強い。みずからの壁を破り、必ずや勝利の栄冠を勝ち取ることができるのです。
親元から離れて暮らす人は、たまには実家に電話をして、元気な声を聞かせてあげてほしい。
口には出さないかもしれないが、ご両親以上に、皆さんのことを心配してくれている人はいないのです。お父さん、お母さんに、断じて、心配をかけてはいけない。
何もむずかしく考える必要はありません。
「元気でやっていますから心配しないでください」等々――素直に今の思いを伝えていけばいいのです。
そして、ご両親から、「わが子を創価大学、創価女子短期大学に行かせて本当によかった」「これほど誇り高いことはない」と言っていただける皆さんになってください。創立者にとって、これほど、うれしいことはないのです。
ともあれ、最初は、あまり窮屈に考えないで、色とりどりの美しき花咲くキャンパスで、自由に伸び伸びと生活してください。
視野を大きく広げ、自分自身の限りない可能性を追求していってください。

春には万朶の桜が咲き薫る、創価大学のキャンパス(2018年3月、本社カメラマン撮影)
若い時に力を
〈席上、中国・上海財経大学から池田先生に「名誉教授」称号が授与された。先生は、中国の周恩来夫妻の言葉を通し、若き日に徹底して学び、力をつけることが重要であると強調した〉
私が敬愛してやまない中国の周恩来総理の言葉に、こうあります。
「人生には限りがあるが、知識には限りがない」(中共中央文献編集委員会編『周恩来選集<1949年―1975年>』中共中央ML著作編訳局訳、外文出版社)
青年よ、学問に挑戦せよ! 自身の限界に挑め!――こう周総理は呼びかけていかれました。
総理は若き日、日本に留学しました。そのとき、日記にこう記しました。
「勉強だ、勉強だ、時間はもはや私を待ってくれはしないのだ」(矢吹晋編『周恩来「十九歳の東京日記」』鈴木博訳、小学館)
有名な言葉です。青春は時間との闘いです。
また総理は、こうも言っています。
「いま前進しなければ、将来はいっそう困難となり、いま前進すれば将来はきわめて順調にすすむであろう」(前掲『周恩来選集<1949年―1975年>』)
未来のために、自分の夢の実現のために、今が大事です。今を勝つことです。
そしてまた、総理は訴えました。
「なによりもまず自分の力を拡大、強化しなければならない」(中共中央文献編集委員会編『周恩来選集<1926年―1949年>』日本語版《周恩来選集》翻訳室訳、外文出版社)と。
まず自分が力をつけることです。努力することです。それが人間革命です。
偉大な青春を勝ち取りましょう!
さらに、周総理夫人である鄧穎超氏が19歳の時の言葉です。
「時代を開く、勇敢なる創造的精神は、決して天賦の才能でもなければ、運命によって与えられるものでもない。それは自ら努力し、求め、開拓してこそ、磨き鍛えられていくものです」(金鳳『鄧穎超伝』上、人民出版社<中国語版>)
皆さんは多くが18歳か19歳――本当に若い。
若いということは、それだけですばらしい力です。なんだってできる。
努力しだいで、あらゆる道を開いていけることを忘れないでください。
五倍努力の人に
〈式典には、中国思想研究の第一人者である、アメリカ・ハーバード大学教授のドゥ・ウェイミン博士が出席。池田先生は、博士が全青連(中華全国青年連合会)に対して訴えた指針を紹介し、新入生たちの飛躍に期待を寄せた〉
博士は、全青連による意義深き会議の席上、現代の青年が持つべき重要な五つの点を強調されました。
それは――
第一に、揺るぎない「主体性」を確立せよ!
第二に、世界に貢献しゆく「社会性」を磨け!
第三に確固たる「歴史観」を持て!
第四に、自然や宇宙の法則に思いを致し、深き「哲学」に生きよ!
そして第五に、つねに「未来」に目を向けよ!
――との五つでありました。非常に大切な視点であり、私もまったく正しいと思います。
未来を見つめ、深き哲学に生きゆく皆さまは、すでに、人生の勝利のカギを持っているのである。
今、世界の激しい変化に取り残され、衰亡しているところもある。反対に、時代の激流を乗り越えて、勝ち栄えていくところもある。
すべてが勝負です。永遠に勝負です。
その勝敗の分かれ目は、どこにあるのか。博士は、それは「学び続けているかどうか」の一点にあると、厳然と喝破されている。
遊ぶことばかり考えている――それでは敗北です。読むべき本を読み、学ぶべき人から学ばなければならない。
厳しい現代社会にあっては、学習する組織でなければ、生き残っていけない。
人間であれ、国家であれ、文明であれ、学び続けることによってのみ、自身を「開かれた存在」として発展させ、存続させていくことができる。勝利していけると、博士は論じておられます。

誰(た)がために 生命の真(まこと)求むかな――池田先生が新入生と共に学生歌を歌う(同)
イギリスの大詩人ハーディは叫びました。
「俺たちの心の奥で俺たちは信じているのさ 正義のある者が勝利するとね ほら吹きたちは きっと必ず 負けて やがては地の塵にまみれるとね」(「行進し 戦場に去る俺たち」森松健介訳、『トマス・ハーディ全詩集』2所収、中央大学出版部)
悪人たちが敗れ、正義が勝つ――そういう時代を築くために、皆さんは、学びに学んで、実力をつけていただきたい。
終わりに、心から愛する新入生の皆さん方に、「皆、努力博士たれ 親孝行博士たれ!」「秀才とは、人の五倍の勉強家なり」と申し上げたい。
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