「語学に徹底して挑戦」 創大・女子短大の学生たちに創立者が贈った言葉

創価大学の第34回、女子短大の第22回卒業式で、卒業生を祝福する池田先生(2008年3月21日)
〈今年も創価大学では11、12月に、韓国語やスワヒリ語など、言語ごとの外国語弁論大会(スピーチコンテスト)が盛大に開催されている。
淵源は1974年(昭和49年)、創立者・池田先生の提案を受けて開かれた中国語弁論大会。今年は45周年の節目である。
語学習得への飽くなき挑戦――この創価大学の伝統は、創立者から託された、平和建設への学びの道である。
2008年3月、創価大学の第34回、創価女子短期大学の第22回卒業式で、池田先生は呼び掛けた〉
一つ、皆さんにお願いしたいことがあります。
私の80年の人生における最大の後悔は、英語をはじめとする語学を勉強できなかったことです。
勉強は一生です。語学は、徹して学び続けていただきたい。
私は、36年前、イギリスの大歴史家トインビー博士と対談を始めました。
トインビー博士との語らいは、政治、経済、哲学、文学、教育、環境、さらに仏法の生命論や宿業論など、あらゆる次元に及びました。
博士は、日本の万葉集や源氏物語、竹取物語、古事記などもよくご存じで、詳しく勉強されていた。驚きました。
話の内容が高度で、テーマは多岐にわたり、3人の通訳が準備していましたが、それでも追いつかない。
私も、自分で英語ができないこと、語学ができないことが悔やまれてなりませんでした。
まずは英語です。さらにまた、さまざまな語学にも挑戦していただきたい。
創価大学、女子短大でも、語学には力を入れていますが、一日中、家でも、学校でも、英語漬けで暮らす――そのくらい徹底して勉強していかなければ、本当の力はつかないとも言われている。
ともあれ、徹して語学に力を注いでまいりたい。教職員の皆さんも、よろしく頼みます。
〈今、創価大学では、国際教養学部が全ての授業を英語で行うなど、英語のみの授業が増えている。キャンパスや寮内で、会話の大半を英語で話すよう努力している学生もいる。創立者の期待に応えゆこうとする、俊英たちの姿が輝いている〉
忍耐強く持続を
〈池田先生は、創大生・短大生がよりいっそう語学の鍛錬に努められるよう、偉人の言葉を通して、具体的に提案している。
2000年4月、創価大学の第30回、短大の第16回入学式では、いくつもの外国語に精通していた中国の文豪・魯迅の、語学を身に付けるためのアドバイスを紹介した〉
第一に「自信を持つこと」。
第二に「絶え間なく、持続すること」。
第三に「がむしゃらに、読み抜くこと」。
第四に「よい先生を求めること」。
そして第五に「よい辞書を持つこと」でありました(顧明遠著『魯迅――その教育思想と実践』横山宏訳、同時代社刊)。
一つ一つが、とても具体的です。教育においては、具体性が大事です。
ともあれ語学にせよ、読書にせよ、専門分野にせよ、忍耐強く努力した分だけ、必ず大きな根を張り、何ものにも負けない人生の栄光の力となっていく。古今東西の偉大な人物の歴史に、つづられた通りであります。

創価大学の第30回、女子短大の第16回入学式で、魯迅の子息の周海嬰氏(右端)から池田先生に、記念の掛け軸が贈呈された(2000年4月3日)
〈08年4月、創価大学は第38回、短大は第24回となる入学式では、先生自ら、外国語であいさつをした〉
新入生を歓迎して英語であいさつをさせていただきます。
Your eyes are beautiful, shining brightly with wisdom.
「英知に輝く皆さんの瞳は、まことに美しい」と言ったのです。
わかりましたか。<「ハイ」と元気な返事が>
Youth of passion, great victory is waiting for you.
「情熱みなぎる皆さんの前途には、勝利が大きく待っている」との意味です。
Each one of you, become a winner of happiness!
Live with a great mission!
さらに、「皆さんは、一人ももれなく、幸福の勝利者になれ! 偉大な使命に生きよ!」と。
Each one of you, become a champion of happiness!
そして、「一人ももれなく、幸福の長者になれ!」と申し上げました。
さらに、中国語でも少し話させていただきます。
「青年是黄金時代、要学習、学習、再学習」
中国の諸先生方、発音はどうでしょうか。
<来賓の中国・嘉応学院の程学長から「上手です」との答えが>
そうですか! うれしいです。ありがとうございます。
中国語の意味は「青年は黄金時代である。学べ、学べ、もっと学べ!」です。中国の周恩来総理の言葉です。
「生命的路是進歩的」
文豪・魯迅先生の有名な一節です。
「生命の道は、進歩の道である」
皆さん、この心で進みましょう!

創価大学・中央教育棟2階にある「ワールドランゲージセンター」では、外国人留学生らと触れ合い、楽しく学ぶことができる
わが境涯を拡大
〈そして、ロシアの文豪・トルストイの言葉を通し、世界平和への決意を、学生たちと確認した〉
トルストイが大切にしたのは「語学」です。
“人類を同胞として結ぶ学問”――これが語学である。少なくとも3カ国語以上に挑戦することを、彼は青年に訴えた。
「人生とは、限界に挑み、わが境涯を拡大することである」――これもトルストイの素晴らしい指針です。いい言葉だ。
限界に挑んだときに、境涯を拡大できる。苦難に負けてはいけない。
私の部屋には、トルストイの全集が置いてあります。
私たちは尊敬する先生方とともに、トルストイが夢に見たごとく、「戦争と平和」の歴史を超えて、全世界の民衆と民衆が固く握手し、そして世界の青年たちが喜び勇んで肩を組む、「平和と教育」の勝利の劇を永遠に残しゆくことを、固く決意し合いたいと思うのであります。
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