第27回 池田先生と未来部 ㊦ 23年08月09日 |
〈出席者〉池田主任副会長、山下未来部長、山口女子未来部長、井上少年部長、押金少女部長![]() “21世紀の指導者に”――広島未来会、中国鳳雛会・グループなどのメンバーに温かい励ましを送る池田先生(1972年9月15日、広島・福山市内で) 君たちに全てを注ぎたい ◆井上 『未来を育む友に贈る――希望の指針 励ましの知恵』(第三文明社)が発刊され、未来部の担当者などから好評です。 ◇池田 池田先生は、「まえがき」を寄せられました。 「無上の財と輝く子どもたちを励まし、無限の希望光る未来を育てゆく、わが“不二の応援団”の宝友が、この一書から何らかの力を湧き立たせていただければ、これに勝る喜びはありません」 同書は、先生の指針に加え、「小説『新・人間革命』に学ぶ」が収録され、小説の時代背景やポイントを交え、「家庭教育の工夫」等のテーマごとに、分かりやすくまとめられています。 同書の発行日は、8月14日。1947年(昭和22年)8月14日、19歳の池田先生が、東京・蒲田での座談会に出席し、戸田先生と出会われた日です。 担当者をはじめ、未来部に関わる一人一人が、師匠と心で対話するような思いで同書を繙きながら、“後継の宝”に励ましを送っていきたい。 できることから始めてみればいい ◆山口 同書の付録には、「未来部7つの指針」も収められています。 ◇池田 1976年(昭和51年)5月5日、池田先生は関西戸田記念講堂で開催された未来部の会合に出席し、この「5・5」を「創価学会後継者の日」にすることを発表されます。 さらに、①健康でいこう②本を読もう③常識を忘れないでいこう④決して焦らないでいこう⑤友人をたくさんつくろう⑥まず自らが福運をつけよう――との6項目の指針を贈ります。 2013年(平成25年)、この6項目の指針に、「親孝行しよう」が新たに追加され、現在の「未来部7つの指針」となりました。 先生は、指針について、次のように述べています。 「“7つの約束”を、いっぺんにする必要はありません。できることから1つずつ始めてみればいい」 「“7つの約束”ができた人は、『7つの宝物』を手に入れることができる」 人間の成長は、“一足飛び”ではなく、一歩ずつ着実に前進していく中にあります。未来部の指針もまた、未来部員が自分のできることから挑戦していくことです。 ◆押金 1965年(昭和40年)1月15日に中等部が結成され、中等部へ5つの指針が贈られました。中等部第1期生の池田主任副会長は、指針をどのように受け止められましたか? ◇池田 結成の会合で、当時の青年部長から、「勤行をしっかりしましょう」「勉強をしっかりしましょう」などの5つの指針が発表されました。とても印象に残りました。あれから58年がたちますが、“勤行に挑戦していこう”“しっかり勉強に励もう”と決意したことを今でも覚えています。 未来部の指針は、一つ一つが「具体的」です。子どもたちが挑戦を開始するためには、具体的であることが大切であると感じます。 68年(同43年)8月8日には、第1回高等部総会が行われました。席上、先生は「未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は、急速に伸びることができる」など、高等部にも5つの指針を示されました。 「まず一カ国語の外国語に習熟すること」との指針は、多くの高等部員が、後に世界へ雄飛する原動力となりました。 『新・人間革命』第9巻「鳳雛」の章で、中・高等部の信心指導の在り方について、山本伸一がこう語る場面があります。 「あくまで勉学第一であり、学問に励むようにすることです。当然、根本は信心です。何のために勉強するのかという、目的を明確にしてあげれば、勉強への取り組みも、自然と積極的になっていくものです」 「人間として大成するために、信仰の『種』、信念の『種』、哲学の『種』を植えていくんです」 未来部の指針は、各人が大きく成長するための「種」にほかなりません。 ![]() 「鳳雛会」の結成10周年記念大会(1976年8月)で、和歌を贈る山本伸一(小説『新・人間革命』第23巻「敢闘」の章から 後継者育成の三つの要諦 ◆山下 『新・人間革命』第25巻「福光」の章は、1977年(昭和52年)3月の福島指導が物語の舞台です。同章では、未来部育成のポイントについても言及されています。 ◇池田 福島の地に足を運んだ山本伸一は、当時の県青年部長に語ります。 「高等部や中等部、少年・少女部が伸びていなければ、未来の興隆はありません」 そして、後継者育成の要諦として――①体験を積む②教学を学ぶ③師弟の絆を強める、の3点を強調します。 さらに伸一は、3・16「広宣流布記念の日」の意義を込めて開催された、県青年部の記念集会に出席すると、未来部に懸ける真情を率直に述べます。 「高等部をはじめ、未来に生きる各部の皆さんの育成に、真剣勝負で臨んでいるんです。広宣流布は諸君に託すしかない。私は、君たちのために、すべてを注ぎ尽くします。命をも捧げる思いでおります」 この一節に、先生の未来部育成への思いが凝縮されていると思えてなりません。 ◆山口 先月30日、全国未来部夏季研修会が、東京・八王子市の創価大学と全国335会館を中継で結んで盛大に開催され、一人一人が誓いを新たにしました。 ◇池田 未来部夏季研修会の源流は、かつて先生が重ねられた未来部への薫陶にあります。先生は、日頃の会合とは違った形で、地域を越えて一堂に会し、触発の場をつくってくださいました。 66年(同41年)1月、全国の代表との記念撮影が行われます。その夜の全国高等部員会で、池田先生は5年後の再会を約します。この時、集ったメンバーは、後に「五年会」と命名されました。 また、同月から高等部に対する御書講義を開始し、その年の6月、受講生は「鳳雛会」(男子)、「鳳雛グループ」(女子)として発足します。 さらに70年(同45年)6月には、「言論問題」の嵐が吹き荒れる中、代表が神奈川に集い、研修会が開催されました。参加者は「東京未来会」として結成され、以後、全国各地で「未来会」が誕生していきます。 『新・人間革命』第14巻「大河」の章では、71年(同46年)5月に開かれた第1回全国未来会で、山本伸一が訴えるシーンがあります。 「二十一世紀に、いかなるリーダーが出るか。平和の旗手が出るか、どうか――それによって、人類の将来は決定づけられてしまう」 「未来の壮挙のために、黙々と学業に励んでいってください。また、仏法という生命の大哲学を学び、自身の生き方の骨格にしていってほしい」 先生は、各地の未来部員一人一人に広く慈愛を注がれつつ、人材育成グループでの薫陶を通して、広布の大河を“広く”“深く”していかれました。 先月の全国未来部夏季研修会のメッセージで、先生は呼びかけています。 「若くして妙法を持った君たちの生命は、自分が思っているより何十倍、何百倍、いな百千万億倍も偉大です。計り知れない力を秘めているのです。一人ももれなく、誇り高く胸を張ってください」 師匠の万感の期待を心に刻み、私たちも師匠と同じ心で、未来部の育成に全精魂を注いでいこうではありませんか。 ![]() 首都圏の代表が参加した全国未来部夏季研修会(7月30日、東京・八王子市の創価大学で) |