「配達員・販売店制度」発足65周年 無冠の友の献身に感謝 2020年06月04日


まばゆく光る新緑の木々(5月5日、都内。池田先生撮影)。生命を輝かせ伸びゆく様は、さっそうと広布に走る「無冠の友」の姿にも似て

今月、本紙の「配達員・販売店制度」発足65周年を迎えました。聖教を全国の隅々まで届けてくださる「無冠の友」(配達員)の皆さまをはじめ、全ての関係者、読者の皆さまに深く感謝申し上げます。ここでは、「創価学会 世界聖教会館」の展示室に掲げられている池田先生のメッセージ「最も信頼する無冠の友の皆さまに贈る」(1995年1月)を紹介します。

配達員の尊き労苦に心から感謝しつつ、聖教新聞を開く池田先生と香峯子夫人(1980年10月、アメリカ・ロサンゼルス近郊のマリブ研修センター〈当時〉で)

さあ、新しい年の舞台へ!

きょうも、あなたは、暁の鐘とともに朝明けの新舞台へ、さっそうと躍り出る。
余裕しゃくしゃくと、早起きの小鳥の歌声をハミングしながら。使命の瞳を輝かせ、一日の勝利を心に深く祈念しながら。
愛する家族も、仲良き宝友も、あなたに力いっぱい声援を送ってくれている。



「全世界は一つの舞台、そして人間はみな役者」と、シェークスピアは言った。
あなたと私は、人生の醍醐味を演じゆく一流の名優。
あなたも私も、人生のハッピーエンドを謳い上げる喜劇役者。
舞台は、目まぐるしく変わる。明から暗へ、暗から明へ。また、暗から暗に沈む時もあろう。
しかし、あなたは負けない!
「私の場合、何でも簡単にできたことは一度だってなかった。常に困難があって、むしろそれをのり越えるのが好きだ」
このナターシャおばさん(ロシアのナターリア・サーツ女史)の言葉の通り、あなたも恐れることなく立ち向かう。
父の演奏会に“泣き役”でデビューした一歳の時から、九十歳で亡くなるまで――ナターシャおばさんは、幾つもの山を越え、谷を越え続けた。世界唯一の子供のための音楽宮殿(モスクワ児童音楽劇場)の実現という「青い鳥」を求めて!
困難に出あうたび、彼女は自分に話しかける。鏡にウインクでもするかのように。“人生劇場”の新展開を楽しむかのように。
「ちょっぴりやっかいになってきちゃったね。さあ、ナターシャ、あなたがどうやってここを切りぬけるか、みものだわ」



「創価学会 世界聖教会館」の展示室に掲げられている、池田先生がしたためた「無冠乃友」(上)と「走者無事」の書

勇気の人には知恵がわく。
確信の人には余裕がある。
心が定まれば自由になる。
その自在な自身となるための、自らが「人生の主役」となるための信仰なのだ。
“一人二役”どころか、五役も六役もこなしながら、主役のあなたは、あなたらしく生きる。
ある時は、悩める友のもとに、真っ先に駆けつける救援隊。
自身に勝ち、勝ち続けながら、一日一日を価値あらしめる楽しき人生の演出家。
邪悪に対しては、だれがなんといおうとも、叫ばずにはいられない我が町の大雄弁家。
またある時は、沈んだ空気を、爆笑の渦で吹き飛ばす名コメディアン。

あなたがいると楽しくなる。
あなたの声を聞くと安心する。
「まるで暖かな太陽のよう」
あなたを知る人は、口々に感謝の心で語る。
太陽は自分で輝く。
自分で燃え輝きながら、すべての人の顔を明るく照らしながら、ていねいに光を送る。
私たちの胸中にも「妙法」という永遠の太陽が昇る。
その希望の光彩は、みんなの「心の部屋」を赤々と輝かせる。
自身はつらい苦境にあっても、「もっと大変な人がいる」と勇んで寒風に飛び出してゆく。
どんなに疲れていても、人生に疲れた人を見ると、力の限り励まさずにはいられない。
閉ざした「心のドア」を開いてくれない時もある。
でも、必ず、わかってくれる! あの友の笑顔こそが、私の喜びなのだ。
おお、無冠の同志よ。
日々、北風に雄々しく挑みゆく「不敗の王者」よ!
常に春風の心で人々を包みゆく、美しき使命の宝冠に輝く「境涯の女王」よ!
喜劇王チャップリンも、きっとあの山高帽を取って、あなたに最敬礼を送っている。

あなたは、日々、勇気と希望の「金文字」を運びゆく。あの人の家の戸口へ、この人の窓辺へ、あなたは、人間主義の「光の花束」を携えてゆく。
庶民こそ賢い。
庶民こそ尊貴である。
無冠の友よ! あなたの確実な一歩一歩にこそ未来がある。
毎朝、あなたが走る銀の道は、平和の金の道なのである。
人類の悲劇を希望の劇へと転じながら、友よ、あなたは、愉快に、にぎやかに駆けてゆく。
私たちの進む「この道」はハッピー・ロード。路傍の人も「楽しそうね」と一緒に歩き出す。
私たちの進む「この道」はビクトリー・ロード。凜々しき民衆のヒーロー、ヒロインは、皆のあこがれだ。
最後は勝つ!
最後に笑う!
友よ、世界一の無冠の友よ!
偉大なるヒューマン・コメディー(人間喜劇)の勝利は、あなたの笑顔のなかにある。

私が最も信頼し、最も尊敬する皆さまの無事安穏を心より祈りつつ――。
一九九五年 元旦

「創価学会 世界聖教会館」の1階に設置された展示室。右の壁一面に、1995年の池田先生のメッセージが記されている