Ⅲ部 第14回 2020年12月10日 世界宗教・創価学会への飛翔④ |
![]() 〈出席者〉志賀青年部長、西方男子部長、大串女子部長、樺澤学生部長、林女子学生部長 23世紀までの世界広宣流布を展望 池田先生の大構想を弟子が成就 ◆西方 2017年(平成29年)9月、「創価学会会憲」が制定されました。 世界教団・創価学会としての世界広宣流布への新生の出発です。11月10日には、広宣流布大誓堂の三代会長記念会議場で、世界70カ国・地域280人の広布のリーダーが集い、厳かに署名式が行われました(11月18日に施行)。 ◇原田 池田先生に報告申し上げ、ご了解をいただき、世界教団・創価学会の根本規範となる、会の憲法ともいうべき「創価学会会憲」を、総務会で制定いたしました。 改めて言うまでもなく、世界広布の礎は、全て池田先生が築いてくださいました。 先生は第3代会長就任直後の1960年(昭和35年)10月、初の海外指導に出発されて以来、妙法の種を全世界に蒔き続けてこられました。192カ国・地域にまで広布が伸展したのは、先生お一人の大激闘のたまものです。 海外組織の始まりは、60年の海外指導の折の、アメリカ総支部、ロサンゼルス・ブラジルの2支部、ハワイ・サンフランシスコなど17地区の結成です。つまり、世界各国の組織は、創価学会の地区や支部として発足し、発展してきたのであり、学会は当初から、各国の組織や団体から構成される世界教団として発展してきたのです。 そして、未来と世界に向かい、さらに広布を伸展させていくには、三代会長のご指導・ご精神を根幹に、それを正しく継承し、展開させていくことが不可欠です。 そのためには、創価学会の根本的な規範を明文化し、池田先生が築かれた創価学会総本部が、世界各国を指導する世界教団としての体制を構築していくことが必要となってきます。 そこで、三代会長のご指導を根幹とした、世界教団としての統一的なルールを、創価学会の根本規範「創価学会会憲」として制定したのです。 会憲は、SGI常任理事会、SGI理事会でも発表され、全会一致で承認され、署名式に至りました。 ![]() 「創価学会会憲」の署名式に臨む海外の友(2017年11月) ◆志賀 会則・会憲「前文」には、「(池田先生は)23世紀までの世界広宣流布を展望されるとともに、信濃町を『世界総本部』とする壮大な構想を示され、その実現を代々の会長を中心とする世界の弟子に託された」と記されています。この展望こそ、21世紀からの「七つの鐘」の壮大な構想であると思います。 ◇原田 池田先生は、戸田先生が逝去されて1カ月後の58年5月3日、悲しみに沈む同志を前に、希望の前進の目標となる第一の「七つの鐘」の構想を発表されました。 戸田先生が生前、「7年を一つの区切りとして広布の鐘を打ち、『七つの鐘』を打ち鳴らそう!」と語られていたことによるものです。 池田先生は「『七』は『南無妙法蓮華経』の七字にも通ずる」と言われています。 「第一の鐘」は、30年の創立から、創価教育学会の発足となる37年までの7年。 「第二の鐘」は、44年の牧口先生の逝去までの7年。 「第三の鐘」は、51年の戸田先生の第2代会長就任まで。 「第四の鐘」は、戸田先生が会員75万世帯の達成をはじめ、あらゆる願業を成し遂げられ、逝去される58年までの7年です。 「第五の鐘」は、戸田先生の七回忌を目指し、遺言である300万世帯を達成することが目標でした。 池田先生が、この「七つの鐘」の構想を発表されたのは、「第五の鐘」がスタートした時です。 先生は、「第六の鐘」で、600万世帯を達成。79年の「七つの鐘」が鳴り終わるまでに、日本の広宣流布の確かな基盤をつくり上げることなどを展望されるのです。 学会は、先生の指導のもと、この全ての構想を実現してきました。 ◆樺澤 そして池田先生は97年5月、関西代表者会議の席上、23世紀後半までの新たな「七つの鐘」の構想を示してくださいました。 ◇原田 そうです。池田先生は、戸田先生が常々、「世界的につながる広宣流布というものは、少なくとも200年先になるであろう」と述懐されていたことを通し、大きな展望を発表してくださいました。 この壮大なビジョンは、21世紀を目前にした2000年12月の本部幹部会でも確認されています。 まず、第二の「七つの鐘」を打ち鳴らす、21世紀の前半の50年では、アジアをはじめ世界の平和の基盤をつくってまいりたい。 続く、第三の「七つの鐘」を鳴らす21世紀の後半では、「生命の尊厳」の哲学を時代精神にし、世界精神へと定着させたい。 さらに、第四の「七つの鐘」に当たる22世紀の前半には、世界の「恒久の平和」の崩れざる基盤をつくりたい。 その基盤の上に、第五の「七つの鐘」が高鳴る22世紀の後半には、絢爛たる人間文化の花が開いていくであろう。 それが実現すれば、第六の「七つの鐘」、第七の「七つの鐘」と進みゆく。日蓮大聖人の立宗1000年(2253年)を迎える23世紀の半ばごろから、新たな展開が始まるであろう――。 このように先生は、未来の遠大な展望を、深い決意と願望と確信を込めて語ってくださいました。そして、この実現を世界の弟子に託してくださっているのです。 ![]() 21世紀を目前にした2000年12月の本部幹部会で、23世紀までの広宣流布の展望・決意を語られる池田先生(大阪の関西戸田記念講堂で) ◆林 会則・会憲には、先生が、「信濃町を『世界総本部』とする壮大な構想を示され」ていたことも記されています。その通りに今、広宣流布大誓堂を中心として、創価文化センターや創価宝光会館、そして世界聖教会館などの施設が完成しています。 ◇原田 今後さらに世界広宣流布を推進するための機構を整備し、世界教団たる創価学会の総本部としての機能を充実させていく予定です。 会則・会憲の前文は、「創価学会は、『三代会長』を広宣流布の永遠の師匠と仰ぎ、異体同心の信心をもって、池田先生が示された未来と世界にわたる大構想に基づき、世界広宣流布の大願を成就しゆくものである」との言葉で締めくくられています。 私たちは、先生のご指導のもと、「広宣流布大誓堂」の完成とともに、世界広布新時代を迎えた2013年以降、日蓮大聖人の仏法の本義に立ち返った教義条項や、三代会長の指導・精神を根幹とする前文への会則の改正、創価学会「勤行要典」の制定など、未来と世界を見据え、世界宗教にふさわしい学会の宗教的独自性の確立に取り組んできました。 そして、会憲の制定により、創価学会が世界宗教へと雄飛する体制が、より強固なものとなりました。 私たちは、どこまでも広宣流布の永遠の師匠である池田先生が示された、未来にわたる大構想に基づき、世界の同志との異体同心の団結をもって、世界広布の前進を加速させていきたい。 ![]() 広宣流布大誓堂など、創価学会の総本部がある東京・信濃町の一帯を、上空から望む。かなたには、王者の富士山が 読了から実践へ 新たな歴史を! ◆志賀 18年9月8日に、小説『新・人間革命』全30巻が完結しました。『新・人間革命』は、学会の「精神の正史」であり、全学会員の「信心の教科書」です。 私たちは、『新・人間革命』が完結した時の青年部であり、「『新・人間革命』世代」との自覚を深め、「読了から実践へ」の誓いを込め、「新・人間革命」世代プロジェクトをスタートさせました。一人一人が“山本伸一”となって、「人間革命」の歴史をつづりゆく決意です。 ◇原田 池田先生は、「随筆 永遠なれ創価の大城」の中で記されています。 「大聖人は『八万四千の法蔵は我身一人の日記文書なり』(御書563ページ)と仰せである。次元は異なるが、広宣流布という民衆勝利の大叙事詩たる『人間革命』『新・人間革命』は、わが全宝友と分かち合う黄金の日記文書なり、との思いで、私は綴ってきた。ゆえにそれは、連載の完結をもって終わるものでは決してない」と。 『人間革命』『新・人間革命』には、牧口先生、戸田先生、池田先生の死身弘法の実践と学会の広布の歴史がつづられ、学会精神の一切がここに凝縮されています。 また、『人間革命』『新・人間革命』は、「未来を照らす明鏡」でもあります。先生はご自身の足跡を通し、未来永劫にわたって弟子が広布と人生に勝ち続けるための方途を示してくださいました。 さらに『人間革命』『新・人間革命』は、「師匠との対話の扉」でもあります。 インドのある青年リーダーは、メンバーから「池田先生にご指導を受けたいのですが」と尋ねられるたび、こう答えているそうです。 「簡単さ。『NHR』を開こう!」と。 「NHR」は、「New Human Revolution」の略のことです。つまり、『新・人間革命』を開くことは、先生と心で対話できる“扉”を開くことに通じる――というのです。 仏法源流の地インドでは、コロナ禍の本年も、青年を中心に約2万4000人の新会員が誕生しています。 ![]() 師弟共戦の決意燃える、インドの総会(2019年12月) 師の真実を伝え 永遠に顕彰する ◆大串 『人間革命』第12巻「涼風」の章の中で池田先生は、戸田先生に出会い、信心を始めて間もない19歳の時(1947年)、軍部政府の弾圧と戦い、民衆救済に立ち上がられた、戸田先生の生涯を書き残したいと思われたと述懐されています。 また、聖教新聞の発刊直前の1951年(昭和26年)春、戸田先生が書かれた、小説『人間革命』の原稿を読まれた時、“いつか、この続編を自分が書かねばならない”と感じられていたこともつづられています。 ◇原田 3年後の54年夏、戸田先生の故郷である北海道・厚田の港に立った時、池田先生は、小説執筆を決意されます。“戸田先生の黄金の軌跡をとどめた、続『人間革命』を必ず書こう”と。 そして、その決意が不動のものとなったのが、厚田から3年後の57年8月、戸田先生と共に訪れた長野・軽井沢でのことです。 戸田先生は、「牧口先生のことは書けても、自分のことを一から十まで書き表すことなど、恥ずかしさが先に立ってできない」と池田先生に言われました。 池田先生は床に就いてからも、その言葉が思い起こされ、“では一体、誰が戸田先生の真実を後世に書き残すのか”と、なかなか寝つくことができなかったそうです。 ――かつて、戸田先生の事業が暗礁に乗り上げた時、多くの同志が戸田先生のもとを去っていった。この時、池田先生は一人、戸田先生に仕え抜き、戸田先生の生命に脈打つ、広宣流布への強い強い一念を受け止め、苦闘の日々の中で、師弟共戦の魂のドラマを織り成していきます。しかし、その師の心も、一念に億劫の辛労を尽くした不二の弟子の闘争も、誰も知らないし、知ろうともしない……。 “戸田先生の真実を記すことができるのは、私しかいない。また、それが先生の、私への期待であり、弟子としての私の使命であろう”と考えられた池田先生は、生涯にわたる仕事として、不世出の広宣流布の指導者である戸田先生の真実を伝え、永遠に顕彰しゆくことを固く固く誓ったのです。 ◆西方 まさしく、『人間革命』『新・人間革命』は、師匠への「報恩の書」であることに感慨を禁じ得ません。 ◇原田 池田先生は、第3代会長就任50周年の折に、こうつづられました。 「弟子の勝利は、師匠の勝利である。私の五十年は、ただただ、恩師・戸田城聖先生に捧げた闘争であった。この五十年の創価の師弟の勝利は、何よりも、私とともに戦ってくださった全学会員の勝利である」 日蓮大聖人は、釈尊の未来記の通り、「ありとあらゆる法難を堪え忍ばれながら、苦悩に喘ぐ民衆のために、妙法を弘めていかれた」。 その大聖人に直結して、学会は広布にまい進し、「世界百九十二カ国・地域に広がった。この地球全体を南無妙法蓮華経の音声が包み始めている。『仏法西還』という大聖人の未来記は、全創価学会・SGIの師弟の力によって完璧に証明されたのである」。 『人間革命』『新・人間革命』には、この仏教史上かつてない「一閻浮提広宣流布」の時代が築かれた壮挙の歴史が記されています。 創立100周年へ。これからの時代は、『新・人間革命』を、池田門下の私たちが弟子の立場でどう深め、実践していくかが鍵となります。 いかに自分たちの血肉とし、後世に正しく伝えていくか。その意味で青年部の皆さんは、使命ある“新・人間革命世代”として大いに力を発揮し、世界広布のさらなる大道を開いてもらいたい。 ◇ ◇ ◇ 「青年部が原田会長に聞く」は、今回で連載終了となります。ご愛読ありがとうございました。 |