Ⅲ部 第12回 2020年11月26日 世界宗教・創価学会への飛翔② |
![]() 〈出席者〉志賀青年部長、西方男子部長、大串女子部長、樺澤学生部長、林女子学生部長 師弟誓願の殿堂「広宣流布大誓堂」 自他共の人間革命の勝利へ出発 ◆樺澤 腐敗・堕落し、邪教と化した日顕宗から「魂の独立」を果たしたことで、創価学会が「世界宗教」への道を本格的に歩んだことを、前回は語っていただきました。 ◇原田 本来、日蓮大聖人の仏法は、万人が「仏」の生命を具えていることを説く「万人成仏」の教えです。それは言い換えれば、「生命尊厳」と「万人の平等」を説く法理です。それゆえに、人類の未来を開く、平和の哲理となるのです。 しかし、日顕ら宗門は、「僧が上、信徒は下」などと衣の権威を笠に着て、大聖人の教えを踏みにじる邪義を打ち立てた。つまり「人間の差別」「分断の思想」を唱えたのです。 学会がそれを看過し、唯々諾々として従っていれば、大聖人の仏法ではなくなり、大聖人の御遺命である人類の幸福と平和を実現することができなくなってしまいます。 ゆえに宗門との決別は、大聖人の仏法を広宣流布していく上で必定でした。 ◆西方 あの時、宗門は滑稽な「破門通告書」を送ってきました。そのことについて、米タフツ大学のハワード・ハンター教授(宗教学部長)は、「ごく少数の僧侶のグループが一千余万の人々を破門すること」は「世にも奇怪な現象である」と語り、「教義を社会化、現実化しようと日夜、献身する人々の“心”がわからなくなってしまったら、その宗団は現代の“化石”の道をたどるしかない」と述べていました。 ◇原田 そうした識者の声は数多くありました。 また、象徴的だったのは「破門通告書」が届いた日、池田先生が在京アフリカ外交団26カ国の総意のもとに「教育・文化・人道貢献賞」を受けられたことです。 そこには、19カ国の大使らと、南アフリカの人権の闘士マンデラ氏らが所属するアフリカ民族会議の代表も出席していました。 創価学会が「魂の独立」を宣言した時に、21世紀の大陸であるアフリカの外交団が先生を顕彰したことは、学会の希望の未来を示す出来事となりました。 ◆樺澤 作家の佐藤優氏も、宗門はあまりにも前近代的で、学会の世界宗教化を邪魔する足枷になったに違いないと指摘し、宗門との決別は「歴史的必然であった」と論じています。 ◇原田 上智大学の安斎伸名誉教授も、開放的・革新的な学会と、閉鎖的・保守的な宗門の決別は必然的な結果であるとされ、次のように述べていました。「平和・文化・教育の価値も理解できず、伝統に固執し、権威と力で信徒を押さえ付け、時代錯誤に陥った宗門。そこから独立しなければ、創価学会もやがては独善的、閉鎖的な教団として終わってしまい、未来性も世界性も絶たれていたことでしょう」 池田先生は宗門事件に寄せられた識者の声を通し、世界宗教の条件について、こう語られています。 「民主的な“開かれた教団運営”」「『信仰の基本』には厳格、『言論の自由』を保障」「『信徒参画』『信徒尊敬』の平等主義」「『儀式』中心ではなく、『信仰』中心」「血統主義ではなく、オープンな人材主義」「教義の『普遍性』と、布教面の『時代即応性』」 赫々と大発展する学会と、暗く衰亡しゆく宗門との根本的な違いが、ここに明確に示されているのです。 ![]() 人類の理想を共有する“世界市民の集い”である学会をたたえたい――1991年11月、アフリカ外交団26カ国の総意として、池田先生への顕彰が行われた(都内で) 仏意仏勅の教団の「自覚と責任」 ◆西方 時代遅れで仏法違背の宗門は、学会を破門した際、あろうことか学会員への御本尊下付を停止し、御本尊を脱会者づくりの“道具”としました。 そうした中、“今の宗門は日蓮大聖人の教えに違背している”と断じた上で離脱する僧侶が相次ぎ、その一人である栃木・淨圓寺の住職から、同寺所蔵の日寛上人書写の御本尊を御形木御本尊として学会員に授与してほしいとの申し出がありました。 ◇原田 学会は1993年(平成5年)9月、大聖人の御遺命のままに、広宣流布を進める唯一の仏意仏勅の教団として、「信心の血脈」を受け継ぐ和合僧団の資格において、この申し出を受けました。そして、その自覚と責任のもと、全世界の会員に授与していくことを、総務会・参議会・教学部最高会議・県長会議および責任役員会で決議したのです。 そして、日寛上人書写の御本尊を授与してきました。 日寛上人の御本尊は、もともと学会の草創期に、新入会者へ授与された歴史があります。この時、日本の広布が急速に進みました。再び日寛上人の御本尊が授与され、日本中、世界中の同志が信行学の実践を貫き、功徳を受け、日本はもとより、世界の広布が一段と加速してきたことは、ご存じの通りです。 師弟の魂留める信濃町に建立す ◆林 21世紀に入り、広布の運動が一層進む中、2008年に学会は、192カ国・地域にまで発展。2013年11月には、「広宣流布大誓堂」が完成します。 ◇原田 先生は本部幹部会等で、総本部の整備について、「皆さんが堂々と、友人を創価学会へ招けるように。『創価学会を見よ!』と胸を張って歩んでいけるように――これが私の思いである」「生まれ変わったような、世界一の『創価城』『広宣城』をつくっていく。海外から来られた方々も、悠々と、ゆっくりできるような『本陣』を、一段と整備していくことを、固くお約束します」と何度も何度も語られてきました。 そうした先生の思いが結実し、着々と整備される総本部の中心として誕生したのが「広宣流布大誓堂」です。これにより、いよいよ本格的に、世界宗教としての歩みが開始されるのです。 ◆林 会則・会憲の「前文」には、次のように記されています。 ――池田先生は、戸田先生も広宣流布の指揮をとられた、「三代会長」の師弟の魂魄を留める不変の根源の地である信濃町に、創価学会の信仰の中心道場の建立を発願され、その大殿堂を「広宣流布大誓堂」と命名された。 2013年11月5日、池田先生は、「大誓堂」の落慶入仏式を執り行なわれ、「広宣流布の御本尊」を御安置され、末法万年にわたる世界広宣流布の大願をご祈念されて、全世界の池田門下に未来にわたる世界広宣流布の誓願の範を示された。 世界の会員は、国籍や老若男女を問わず、「大誓堂」に集い来り、永遠の師匠である「三代会長」と心を合わせ、民衆の幸福と繁栄、世界平和、自身の人間革命を祈り、ともどもに世界広宣流布を誓願する。―― ◇原田 そうです。日蓮大聖人の御遺命である世界広宣流布の大願成就を誓願する信仰の中心道場が、「広宣流布大誓堂」なのです。 先生がしたためられた大誓堂の碑文には、「我ら民衆が世界の立正安国を深く祈念し、いかなる三障四魔も恐るることなく、自他共の人間革命の勝利へ出発せる師弟誓願の大殿堂なり」とあります。 大誓堂建立の目的は、全世界の同志が自他共の幸福と社会の安穏を祈り、立正安国、広宣流布を誓うことです。 大誓堂の落慶記念勤行会へのメッセージの中で先生は、「『広宣流布の大願』と『仏界の生命』とは一体です。だからこそ――この誓いに生き抜く時、人は最も尊く、最も強く、最も大きくなれる」と述べられました。 師と共に、学会と共に、同志と共に――この誓いに生きて、広布にまい進する時、人は、歓喜と誉れに満ちた人生を歩んでいくことができるのです。 ![]() 広宣流布大誓堂は、民衆の幸福と安穏、社会の繁栄、世界の平和、人類の宿命転換を誓願する究極の人間共和の宝塔(2018年11月) 信仰実践に即し会則の教義改正 ◆志賀 宗門が大聖人に違背し、大石寺は“天魔の住処”と化したことから14年11月、会則の教義条項が改正され、大謗法の地にある弘安2年の御本尊を受持の対象にしないことが明確にされました。 ◇原田 翌15年が創立85周年となり、池田先生の指導のもと、学会が世界宗教として新たな段階に入ることから、歴史的経緯と、世界教団としての発展の状況に鑑み、現在の信仰の実践・実態に即して文言を改正しました。 ◆大串 具体的には、「この会は、日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎ、根本の法である南無妙法蓮華経を具現された三大秘法を信じ、御本尊に自行化他にわたる題目を唱え、御書根本に、各人が人間革命を成就し、日蓮大聖人の御遺命である世界広宣流布を実現することを大願とする」となりました。 ◇原田 大聖人は、宇宙と生命に内在する根本の法を南無妙法蓮華経であると明らかにされました。そしてそれを、末法の全民衆の成仏のために三大秘法、すなわち、本門の本尊・本門の題目・本門の戒壇として具体的に顕されました。 末法の衆生のために、大聖人御自身が御図顕された十界の文字曼荼羅と、それを書写した本尊は、全て根本の法である南無妙法蓮華経を具現されたものであり、等しく「本門の本尊」です。 そして、「本門の本尊」に唱える南無妙法蓮華経が「本門の題目」であり、その唱える場がそのまま「本門の戒壇」となります。 大聖人の仏法は、万人に開かれたものであり、三大秘法はあくまで一人一人の信仰において受け止められなければなりません。 ある場所に特定の戒壇があり、そこに安置する御本尊が根本の御本尊で、その他の御本尊はそれにつながらなければ力用が発揮されないという、あたかも“電源と端子”の関係であるかのような本尊観は誤りです。 そうした本尊観は、世界広布が事実の上で伸展している現在も将来においても、かえって広布を阻害するものとなりかねません。 日蓮大聖人の仏法における信仰の本義は、「根本の法である南無妙法蓮華経を具現された三大秘法」を信じることにあります。つまり、広宣流布を願い、御本尊を受持し弘めるという自行化他の実践であり、それは日々の学会活動そのものです。そのことを会則では、「御本尊に自行化他にわたる題目を唱え」と表現したのです。 ◆志賀 大聖人の御本尊は、「法華弘通のはたじるし」(御書1243ページ)、すなわち民衆救済のための御本尊であり、広宣流布のための御本尊ということですね。 ◇原田 御本尊は広宣流布の誓願、信心で拝してこそ、その力用が発揮されます。 学会は、大聖人の御遺命である広宣流布を実現するため、宗門と僧俗和合し、弘安2年の御本尊を信受してきました。しかし、宗門は信者を蔑視し、創価学会を破門する暴挙に出ました。 さらに法主詐称者の出現によって、永遠に法主が不在となり、宗門のいう法主の血脈なるものも断絶しました。大石寺はすでに大謗法の地と化し、世界広宣流布を目指す創価学会とは全く無関係の存在となったのです。 「魂の独立」以来、学会員は皆、大石寺に登山することもなく、弘安2年の御本尊を拝することもありませんでした。各人の御本尊に自行化他にわたる題目を唱えて絶大な功徳を受け、宿命転換と人間革命を成就し、世界広布拡大の実証を示してきたのです。 学会は、大聖人の御遺命の世界広宣流布を推進する仏意仏勅の教団であるとの自覚に立ち、その責任において広宣流布のための御本尊を認定しました。 したがって、会則の教義条項にある御本尊とは、創価学会が受持の対象として認定した御本尊であり、大謗法の地にある弘安2年の御本尊は受持の対象ではないのです。 このことを世界宗教へと飛翔する「時」に、将来のために明確にしたのです。 ![]() 小説『新・人間革命』は今、海外13言語で翻訳・出版されている ◆大串 会則に「人間革命」との文言も記され、学会の哲学がより鮮明に現されました。 ◇原田 世界広布の実現といっても、個人の一生成仏、すなわち人間革命によって成し遂げられるものです。 20世紀を代表する歴史学者トインビー博士は、英語版の小説『人間革命』を発刊した際、序文を寄せられました。 その中で、大聖人の「地平と関心は、日本の海岸線に限定されるものではなかった」とつづられ、その思い描く仏教は「全ての場所の人間の仲間を救済する手段であると考えた」と述べられ、「創価学会は、人間革命の活動を通し、その日蓮の遺命を実行している」と語られています。 世界中の友が今、“信心の教科書”として、『人間革命』『新・人間革命』を読み深めています。青年部も、「新・人間革命」世代との自覚を深め、新しい広布の時代を切り開こうとしています。 私たちはこれからも、三代会長の精神が凝縮した「人間革命」の思想を広げる対話に励んでいきましょう。 |