第21回 8万5千人の誓いの歌声 2020年11月12日 |
きょう11月12日は「女子部の日」。1961年(昭和36年)のこの日、横浜・三ツ沢の競技場に8万5000人が集い、「第9回女子部総会」が盛大に開催された。51年(同26年)に74人が参加して行われた同部の結成式から10年。大飛躍を遂げた女子部の歴史的な集いをひもとく。 なお、このほど「女子部の日」を記念した映像が完成した。映像では、同総会の模様や、池田大作先生が女子部に寄せた指針などを紹介している。 ![]() 第9回女子部総会を彩った平和の天使・鼓笛隊。女子部はこの総会までに、全国で26万人を超える陣列を築き、大歓喜の中で集い合った(1961年11月12日、横浜・三ツ沢の競技場で) 総会当日の朝、上空を覆っていた厚い雲が割れ、まばゆい陽光が降り注いだ。 午前11時半、世紀の総会の幕が開かれた。 白と赤の真新しい制服を着た鼓笛隊600人に続き、代表1万1000人がグラウンドをパレード。約20分の入場行進を終え、全員で学会歌を大合唱した。新たな時代を開く、希望と歓喜の歌声が競技場の空に響いた。 集いの模様と、そこに至るまでの経緯が、小説『新・人間革命』第5巻「勝利」の章に詳しく描かれている。 ![]() 現在の横浜(2017年撮影)。左下に三ツ沢の競技場が見える。ここで、戸田先生が歴史的な「原水爆禁止宣言」を発表(1957年9月8日)し、その4年後に、女子部の代表8万5000人が集って総会が開かれた 総会前、女子部のリーダーたちは、戸田城聖先生、池田先生が一貫して訴えてきた「女子部は幸せになりなさい」との指針について、真剣に考え、話し合いを重ねた。 ――仕事、家庭、恋愛、結婚……。青春時代は悩みの連続であり、その中で誰もが幸せを求めている。では、幸せとは何か。 経済的な豊かさや社会的地位などの「相対的幸福」は、環境が変われば、いともたやすく崩れ去ってしまう。そうした幻のような幸せではなく、どんな困難にも負けず、生きていること自体が楽しくてしようがないという境涯の確立、つまり、「絶対的幸福」をつかむことこそ、真実の「幸せ」ではないのか。それが、皆の結論であった。 総会で登壇した女子部長は訴えた。「池田先生は『革命とは、命を革めることである』と指導されておりますが、宿命に押し流されてしまう自分を、弱さに負けてしまう自分を、いかに革命していくかが、いっさいの根本であります。なぜなら、幸福の源泉は自身の胸中に、一念にこそあるからです」 参加者から共感の大拍手が起こった。 ![]() 第9回女子部総会に出席した池田先生。席上、「信仰の目的は幸福になること」「次代を担う女性指導者に」「全員が教学部員に」との指針を贈った(1961年11月12日、横浜・三ツ沢の競技場で) やがて、池田先生の講演となった。凜とした声が会場に轟く。 先生は、女子部の思いを全身で受け止めるように、「万人に幸福の道を開いた、これほど偉大なる仏法、大哲理はありません」と強調し、こう訴えた。「仏法を持った先覚者として、東洋、世界の人びとに、仏法を流布し、幸福にしていく役割があります。どうか、その崇高な使命を自覚して、一人ひとりが、さらに仏法を研鑽していっていただきたい」。そして、「女子部は全員が教学部員に」と呼び掛けたのである。 総会の幕が閉じると、先生は場内のグラウンドを回り、未聞の大結集を成し遂げた参加者に万感の励ましを送った。 “次代を担う幸福の使者よ。君たちは勝った。その頭上には、燦然たる青春の栄冠が輝いている。女子部、万歳!”との思いを胸に抱きつつ――。 聖教新聞(1961年11月15日付)は「歓喜の大絵巻を展開」の見出しで、総会の模様を大きく報じた。 晴れの総会に参加した友は振り返る。「戸田先生の原水爆禁止宣言の発表からわずか4年後に、同じ三ツ沢の会場を、女子部だけで埋め尽くすことができ、感動を禁じ得ませんでした」 集った8万5000の女子部員全員に“8万5000通り”の挑戦があり、人間革命の勝利劇があった。総会で池田先生が示した「全員が教学部員に」との言葉は、女子部の永遠の指針となった。 ![]() 第9回女子部総会から20年。池田先生が1981年の11・12「女子部の日」を記念し、したためた「女子部の誓」の書 日本をはじめ世界各国の華陽姉妹は現在、毎年巡り来る11・12「女子部の日」を目指して、「池田華陽会御書30編」の読了運動を推進。日蓮仏法の精髄を命に刻み、一人一人が福徳と人生勝利の礎を築いている。 未曽有の大結集を成し遂げた翌62年の年間テーマは「勝利の年」。くしくも明2021年のテーマは「希望・勝利の年」である。 時代が移り変わっても、信心根本に、師弟共戦の心で進む人は、朗らかに、幸福勝利の青春譜をつづっていくことができる。 女子部の笑顔が希望の花となり、未来を照らす太陽となる。女子部の成長こそ、創価の「勝利の門」を開く。 ![]() 現在の池田華陽会の前身である「華陽会」に贈った和歌がつづられた書。「華のよう 朝日のようにと 華陽会 恩師も見つめむ 深き誓いを 大作」と記されている |