第12回『妙音奏でる平和の天使」 2020年07月22日 |
きょう「7・22」鼓笛隊結成記念日 法華経に登場する妙音菩薩は、苦悩渦巻く世界に妙なる調べとともに現れ、人々を幸せへと導く。 さながら“現代の妙音菩薩”として、華麗なメロディーと舞で、見る人の心に感動と勇気を送ってきたのが創価の鼓笛隊だ。 結成は1956年7月22日。その数カ月前、女子部の代表が、青年部の室長だった池田大作先生のもとへ。広布の展望を語り合う中で、鼓笛隊の結成が話題に上った。 だが、皆、貧しく、すぐに楽器をそろえる余裕などない。それでも先生は「どうにかして、楽器を買ってあげるから、少々、時間をくれないか」と語った。その後、自ら費用を工面して、ファイフとドラムを贈ったのである。 ![]() 鼓笛隊結成に当たり、池田先生が自ら工面して贈った楽器 33人で出発した、手づくりの鼓笛隊。先生は「私は、この新しき『平和と文化の旗手』の誕生が、ことのほか嬉しかった」と真情をつづっている。 しかし、誕生した当初はファイフもドラムスティックも初めて手にする人ばかり。決意とは裏腹にまともに音が出せず、“スースー隊”と笑う人もいた。 悔しさをにじませるメンバーに先生は、「最初は、何を言われてもいいじゃないか。いつか、世界一になればいいんだ」と。さらに、“学会の鼓笛隊は「戦争の世紀」に終止符を打つために歴史の舞台に颯爽と登場した、尊き「平和の天使」なのである”と、その深き使命を示し、励まし続けてきた。 ![]() 「上手だったよ。満点です!」――創立記念日を祝賀する音楽隊・鼓笛隊の演奏会で、熱演を終えた出演者を激励する池田先生(2002年11月、創価大学池田記念講堂で) 師の期待を抱き締めて、鼓笛隊は結成以来、国内各地でパレードに出演し、69年には全米総会を記念してアメリカで日米鼓笛隊がパレード。81年には、2月にアメリカ、5月にソ連へ。モスクワでは先生と共に、戦争犠牲者を追悼する「無名戦士の碑」を訪ね、鎮魂の曲を演奏するなど、文化の力で人々を結ぶ“無冠の外交使節”として活躍した。 ![]() 結成20周年の1976年、「鼓笛隊の日」を記念して先生が贈った和歌。「平和への天使と はばたき二十年 銀の翼は 世界に ひらきぬ」と 明年に結成65周年を迎える今、鼓笛姉妹の連帯は世界に広がり、「太陽のように明るく 月光の如く清らかな鼓笛隊たれ」の指針のまま、世界中に妙音を響かせる。 コロナ禍にあっても一人でも多くの人に勇気を送ろうと、メンバーはオンラインでの演奏を実施。たゆみなく技術を磨く。 鼓笛隊の友に贈った随筆に、先生は、こうつづる。 「何があっても、常に大いなる目標へ、さらに次なる目標へと、力強く前進し続ける。これが『創価の心』だ。この強き金剛の心こそ、鼓笛隊の誉れの伝統だ」 逆境を力に変える妙音を今こそ!――鼓笛姉妹は、地球を包む音色で今日も希望を届ける。 |